2021/12/07
動物愛護や動物福祉の観点から実際にリモネンを猫に振りかけて実験するわけにはいかないのですが、濃縮された製剤を規定の5倍以上使って中毒症状を起こしたとか、リモネンを含む犬用の皮膚用剤を使用して猫が亡くなったという症例があるそうです。
「個体差もあるので、『どれくらいの量だと中毒を起こす』とは一概には言えません。ただ、猫の皮膚は人間の皮膚の1/5程度と非常に薄く、リモネンは経皮吸収促進剤でもあるため皮膚炎には注意が必要です」
「猫は起きている時間の半分程度を毛づくろいに充てます。経皮吸収のリスクもありますが、被毛に付着したリモネンを口から摂取し、内臓、特に肝臓に影響することが危ぶまれます」
「イヤークリーナーは、耳の臭いをやわらげるために柑橘系の香料がよく使われていますが、猫は柑橘系の匂いが嫌いなので、他のものでも近づけないでください。当院では犬にのみ使用しています。食器用洗剤もオレンジオイルは使わないようにしています」
冬といえば、猫にこたつにみかんというほっこりした風景が頭をよぎりますが、猫が中毒を起こすなど有害だったという症例が報告されている以上、わざわざ危険なものを猫に近づけるのは避けたいですね。